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輝く夜の静寂には・・・

2011年10月21日

少女は、太陽を知らない。
夜、月が登ると目を覚まし、月が沈み夜の明ける前に眠る。
その意味を知らぬまま、少女はただひとりきり、緩やかに時を重ねていた。
輝く夜の静寂には・・・
満月の光射す、ある夜のこと。
目を覚ました少女は、ふといつもと違う何かに気づいた。
誰かが自分を見つめている。自分ではない、何かがここにいる。
輝く夜の静寂には・・・
「やっと、気がついたな・・」
「・・・貴方は、だれ?」
「オレは、オマエ」
「?」
「わからなくていい。ただ、オレはオマエで、オレは、ここにいる。それだけを覚えていろ」
輝く夜の静寂には・・・
少年は、するりとなんの障害も感じさせず、部屋の中に入ってきた。
少女は、ただ呆然と目の前に立つ少年を見つめる。
「貴方は、だあれ?」
もう一度、少女が問う。
「オマエの名は?」
少女は、少しだけ考えて、答えた。
「・・・こうや・・・わたしの名前は、紅夜、よ」
「ならば、オレも更夜(コウヤ)だ」
少年はうなずいて、少しだけ微笑んだように見えた。
「これから先、オマエを滅しようとする者が現れたら、オレを呼べ」
「オマエは滅したらそれまでだが、オレが滅してもオマエが在る限り、再び甦る」
「いいか?オレは、更夜。オレはお前自身。呼ぶことをためらうな」

輝く夜の静寂には・・・
そう言うと、少年は月光の中、姿を消した。
「・・・コウ、ヤ?」
自分の名であり、少年の名でもあるそれをつぶやくと、少しだけココロが暖かくなるような気がした。
その時紅夜は、また自分以外の何かの気配を感じとった。
「すみません!誰かいませんか?!道に迷って困ってるんですが・・」
「ちょっと!誰もいやしないわよ、こんなトコ!!ボロボロの廃屋じゃない!だから早く引き返そうって・・!!」
若い男女の言い争う声。
輝く夜の静寂には・・・
その声を聞いていた紅夜の中に、初めての欲求が生まれる。
それは、熱く激しい飢えと、乾きという名の・・・


ヴァンパイアドールアバゲット後の、妄想のSS(ショートストーリー)でした!!わはは~~~
続かない!たぶんw

Posted by 昂 at 00:29│Comments(3)SS

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Comments
え~! せかっくなのにー続き~
そのうちお願いしますm(__)m
Posted by matime at 2011年10月21日 15:20
あ、名前まちがえてる~(汗)
Posted by natume at 2011年10月22日 00:55
matimeさん、もといnatumeちゃん>
やっぱり名前打ち間違いでしたかw
私の噛み神にも匹敵する、ステキな噛みっぷりw

リクエスト、ありがとう。
これの続きとは限らないけど、またネタが浮かんだらやってみます。
でも、一人芝居はなかなか大変w
これでも手持ちのポーズ駆使してやってます。
期待しないで、待っててねw
Posted by 昴 at 2011年10月23日 19:01
 
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